30代後半になって、営業職から事務職への転職を考え始めたとき、気になることはいくつもあると思います。
年収はどのくらい下がるのか。勤務地は通える範囲か。未経験でも応募できる求人はあるのか。
条件を見始めると、どこまで希望を出していいのか分からなくなることもあります。
私自身、営業職を10年以上続けるなかで、このまま定年まで営業を続けるイメージが持てず、働き方を変えたいと考えるようになりました。
最終的には社内異動で事務系の仕事に移りましたが、最初からすべての条件が整理できていたわけではありません。
今振り返ると、求人を探す前に考えておきたいのは、希望条件を並べることだけではなく、何を優先し、どこなら妥協できるのかを決めておくことだったと思います。
今回は、30代後半で事務職への転職を考えたとき、応募するかどうかを判断するために整理しておきたい条件について考えてみます。
【1】年収は、どこまで下がっても生活できるか
事務職への転職を考えるとき、気になる条件のひとつが年収です。
営業職から事務職に移る場合、仕事内容や会社によっては年収が下がる可能性もあります。
ただ、求人に書かれた年収だけを見て判断するのも難しいところです。
たとえば、年収が下がっても残業が減り、生活に使える時間が増えるなら、それを前向きに受け止められる人もいると思います。一方で、毎月の支出を考えると、簡単には年収を下げられない人もいるはずです。
まずは、今の年収を基準に考えるだけでなく、毎月の生活費や固定費を踏まえて、最低限必要な収入を把握しておくことが大切です。
そのうえで、希望する年収と、条件次第では受け入れられる年収を分けて考えておくと、求人を見たときに判断しやすくなります。
年収を優先するのか、働き方を変えることを優先するのか。ここは人によって答えが違う部分です。
【2】勤務地や通勤時間は、無理なく続けられる範囲か
勤務地も、応募前に整理しておきたい条件です。
自宅から通える範囲に事務職の求人が十分にあるとは限りません。特に地方では、希望する職種や条件に合う求人が限られることも考えられます。
通勤時間を短くしたいのか、多少遠くても仕事内容を優先したいのか。このあたりは、あらかじめ考えておいたほうがよさそうです。
また、求人票に書かれた勤務地だけでなく、転勤の可能性や、入社後に勤務地が変わる可能性も確認しておきたいところです。
希望条件を厳しくしすぎると、応募できる求人が少なくなることもあります。
だからといって、通勤が負担になる職場を無理に選ぶ必要もありません。
自分が毎日通い続けられる範囲を考えたうえで、どこまで選択肢を広げられるかを整理しておくことが大切だと思います。
希望する年収や勤務地などを整理したら、次は実際の求人票で条件を確認することも大切です。求人を見るときに確認しておきたいポイントについては、こちらの記事でまとめています。
【3】「事務職なら何でもいい」と考えていないか
営業職から離れたい気持ちが強いと、まずは事務職に移ること自体が目標になってしまうかもしれません。
ただ、事務職といっても仕事内容はさまざまです。
経理、総務、人事、営業事務などでは、担当する業務も求められる知識も違います。同じ総務でも、社内の問い合わせ対応が中心の職場もあれば、給与や社会保険の手続きなどを担当する職場もあります。
私自身、事務系の仕事に移ってから、想像していた以上に仕事内容の幅が広いことを実感しました。
そのため、単に「営業以外の仕事がしたい」と考えるだけでなく、どんな仕事なら続けられそうか、反対にどんな業務は避けたいのかも考えておくとよいと思います。
もちろん、未経験の段階ですべてを判断するのは難しいものです。
最初から仕事内容を細かく決めすぎる必要はありません。ただ、事務職という名前だけで応募先を選ばず、実際に担当する業務を確認する意識は持っておきたいところです。
【4】未経験でも応募できる求人に、どこまで条件を求めるか
30代後半で事務職への転職を考える場合、未経験でも応募できるかどうかは気になるポイントです。
求人によっては、事務経験が必須になっていたり、経理や総務の実務経験が求められたりします。一方で、未経験者を対象にした求人もあります。
ここで考えておきたいのは、未経験で応募できることだけを重視するのではなく、自分の希望条件とのバランスを見ることです。
たとえば、年収も勤務地も仕事内容も譲れず、さらに未経験可という条件を加えると、応募先がかなり限られる可能性があります。
一方、勤務地を少し広げる、仕事内容の幅を広げるなど、優先順位を見直すことで選択肢が増えることもあります。
また、これまでの営業経験が、応募先の仕事にどう活かせるかを考えることも大切です。
事務職の実務経験がなくても、社内外との調整や相手の状況を考えて動く力など、営業で身につけた経験を活かせる場面はあるかもしれません。
ただし、営業経験があるから必ず採用されるわけではありません。自分の経験と求人側が求めているものを照らし合わせながら、応募するかどうかを考えたいところです。
【5】今の会社で異動できる可能性はあるか
転職を考え始めたとき、社外の求人だけに目を向けるのではなく、今の会社で希望する仕事に移れる可能性も考えてみる価値があります。
私の場合は、簿記2級を取得したあと、社内で経理の仕事に移りたいと相談したことが、異動につながるきっかけになりました。
もちろん、社内異動は本人の希望だけで決まるものではありません。会社の人員配置や欠員の状況、上司の考えなど、タイミングにも左右されます。
そのため、社内異動を希望すれば実現できるとは限りません。
それでも、今の会社に希望する部署があるか、異動の相談ができそうな上司がいるか、資格取得や業務経験を通じて準備できることはあるか、といった点を考えておく意味はあると思います。
転職には、環境を大きく変えられる可能性がある一方、給与や人間関係なども新しくなるという面があります。
社内異動なら、会社の制度や人員状況によるものの、これまで築いてきた人間関係や社内での経験を活かせる場合もあります。
どちらが正解というわけではありません。自分の会社で異動の可能性があるのかを確認してから、転職活動に進むという考え方もできます。
転職と社内異動には、それぞれ違ったメリットや注意点があります。どちらを選ぶか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【6】条件を「譲れないもの」と「できれば希望するもの」に分ける
ここまで、年収、勤務地、仕事内容、未経験可の条件、社内異動の可能性について考えてきました。
すべての条件を満たす求人が見つかれば理想的ですが、実際にはそう簡単ではないかもしれません。
そこで、応募前に一度、条件を次の2つに分けてみることをおすすめします。
- 譲れない条件: 生活や働き続けるうえで、どうしても必要なもの
- できれば希望する条件: 満たしていればうれしいが、ほかの条件次第では見直せるもの
たとえば、最低限必要な年収や通勤できる範囲は譲れない条件にする。一方、仕事内容は幅を持たせて考える、といった整理もできます。
何を優先するかは、人それぞれです。年収を下げたくない人もいれば、多少収入が下がっても、今の働き方を変えることを優先したい人もいると思います。
大切なのは、求人を見てからその場で迷うのではなく、自分なりの判断基準を持っておくことです。
条件を整理しておけば、応募する求人を選びやすくなりますし、希望と違う求人を見送るときにも納得しやすくなります。
【まとめ】応募する前に、自分が何を変えたいのかを考える
30代後半で事務職への転職を考えると、年収や勤務地、未経験でも応募できるかなど、気になる条件がいくつも出てきます。
ただ、条件をすべて満たす求人を探すことだけに集中すると、なかなか応募先を決められなくなるかもしれません。
まずは、自分が仕事を変えたい理由を振り返り、何を優先したいのかを整理してみる。
そのうえで、譲れない条件と、できれば希望する条件を分けて考える。
そして、社外への転職だけでなく、今の会社で異動できる可能性も含めて選択肢を考えてみる。
私自身は社内異動という形で仕事を変えましたが、誰にとっても同じ方法が合うわけではないと思います。
大切なのは、転職すること自体を目標にするのではなく、自分がどんな働き方をしたいのかを考えたうえで、応募するかどうかを判断することではないでしょうか。

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