営業から事務職へ異動する前、私は事務の仕事に対して少し違ったイメージを持っていました。
パソコンに向かって作業をする。
決められた仕事を淡々とこなす。
営業のように、毎日いろいろな人と話す必要はない。
そんなイメージです。
営業職を10年以上続けてきた私にとって、これはある意味で魅力でもありました。
人と話すことに疲れる日もありましたし、取引先から急な依頼を受けたり、売上の数字を追い続けたりすることにも疲れていました。
だからこそ、
「事務職になれば、もっと一人で落ち着いて仕事ができるのではないか」
と思っていました。
ところが、実際に事務職へ異動してみると、思っていたよりも人と関わる仕事でした。
今回は、営業から事務職へ異動して分かった、私が想像していなかった「事務職の人との関わり方」について書きます。
①事務職でも社内の人と話す機会は多い
まず驚いたのが、社内の人とのやり取りです。
営業の場合、主に取引先など社外の人と話します。
一方、事務職になると、関わる相手が社内の人に変わります。
「この書類はどうすればいいですか?」
「この申請について確認したいです」
「この数字は合っていますか?」
といった質問を受けることがあります。
特に総務の仕事では、社員からの問い合わせが入ることもあります。
営業時代は、
「お客さんから問い合わせが来る」
という感覚でした。
事務職では、それが社内の人から来るようになります。
相手が社内の人だから簡単、というわけでもありません。
むしろ、同じ会社で働いているからこそ、普段からの関係性や伝え方を考える場面もあります。
②「分からない」と言われたら調べて答える仕事も多い
事務職に異動してから、
「これってどうすればいいですか?」
と聞かれることが増えました。
もちろん、自分も分からないことがあります。
特に異動したばかりの頃は、こちらも未経験です。
そのため、
「少し確認してから回答します」
と伝えて、後から調べることもありました。
最初は、それが少し申し訳なく感じることもありました。
前任者ならすぐ答えられたかもしれない。
それなのに、自分はすぐ答えられない。
そんなことを考えていました。
でも、分からないまま適当に答えるわけにはいきません。
資料を探したり、過去の処理を確認したり、必要であれば詳しい人に聞いたりする。
そうやって調べてから回答することも、事務の仕事の一つなのだと少しずつ分かってきました。
③「調整する仕事」が意外と多かった
事務職というと、パソコンで作業するイメージが強いかもしれません。
私自身もそうでした。
でも、実際には人と人の間に入って調整する仕事があります。
例えば、必要な書類を集める。
提出期限を確認する。
担当者に連絡する。
不足しているものを確認する。
場合によっては、複数の部署に確認する。
こうした仕事は、パソコンだけでは完結しません。
相手に伝わるように説明する必要もあります。
そして、相手が忙しい場合には、お願いするタイミングを考えることもあります。
営業時代には「売ること」が中心でしたが、事務職では「仕事が進むように調整すること」が多い。
これは、異動してみて初めて気づいた部分でした。
④営業時代の経験が意外と役立った
事務職に異動した当初は、
「営業の経験なんて、事務ではあまり使わないだろう」
と思っていました。
しかし、実際にはそうでもありませんでした。
営業では、相手が何を求めているのかを考えることが必要です。
相手が何に困っているのか。
次に何を聞いてきそうか。
こちらから先に確認しておいたほうがいいことは何か。
こうしたことを考える癖が、事務職でも役立つ場面がありました。
例えば、社員から質問を受けたとき。
聞かれたことだけを答えるのではなく、
「もしかすると、ここも確認したほうがいいかもしれない」
と考える。
これは営業時代に身についた感覚に近いと思います。
営業の仕事そのものは変わりましたが、そこで身につけた「相手の立場を考える」という部分は、事務職でも使うことができました。
⑤事務職は「人と関わらない仕事」ではなかった
営業から事務職へ異動する前、私は、
「事務なら人と関わることが少ないだろう」
と思っていました。
実際には違いました。
社外の人と話す機会は減りましたが、その分、社内の人とのやり取りが増えました。
そして、単純に会話するだけではなく、
- 相手から必要な情報を聞く
- 書類や資料を確認してもらう
- 期限を伝える
- 不足しているものをお願いする
- 質問に対して調べて回答する
といった、細かなコミュニケーションが多くあります。
営業ほど「話すこと」が中心ではありません。
でも、事務職も人と関わりながら仕事を進めていく仕事でした。
まとめ|営業と事務で「人との関わり方」が変わった
営業から事務職へ異動して、一番大きく変わったことの一つは、人との関わり方でした。
営業時代は、社外の人との関係づくりが中心。
事務職では、社内の人が仕事を進めるためのサポートや調整が中心です。
もちろん、会社や部署によって仕事内容は違います。
すべての事務職に当てはまるわけではありません。
それでも、私自身が実際に異動して感じたのは、
「事務職=一人で黙々と作業する仕事」ではなかった
ということです。
むしろ、相手の状況を考えながら仕事を進める場面は意外と多くありました。
営業を10年以上やってきた私にとっては、最初は「営業経験を全部捨てて、新しい仕事を始める」という感覚もありました。
でも、実際にはそうではありませんでした。
仕事内容が変わっても、これまでの仕事で身につけた考え方や習慣が、別の場所で役立つことがあります。
営業から事務への異動を考えている人には、今までの経験を「事務では使えない」と最初から決めつけなくてもいいのかもしれません。


コメント